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追従性は抜群【スジボリ堂 BMCタガネ0.2mm】レビュー

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今後のプラモデル製作で避けては通れないであろう、スジ彫り。

ネットを散策していると、スジボリ堂さんのBMCタガネの評判が非常に良いので目につきました。

プロや上級者のモデラーさんも愛用者が多数いるようですし、雑誌なんかでも紹介されています。

多方面から絶賛されているBMCタガネ、「みんなが使っているなら良い道具なんだろう」ということで早速通販でポチッたのでした。

BMCタガネ0.2mmを開封、中身確認

色々調べているとガンプラでは0.15mmや0.2mmぐらいが多用されているようなので、ファンテックのスジ彫りカーバイトスターターセットと被らない0.2mmサイズをを選択しました。

開封すると、先端に刃先保護のチューブが付いたBMCタガネが登場。

持ち手の後端に、親切にサイズ識別用のシールが貼られています。

BMCタガネは持ち手(別の金属?)と刃の部分(タングステン)がつなぎ合わされた作りになっています。

各部の寸法は実測で、刃の部分が17mm持ち手部分が70mm、合計すると全長87mmでした。

他のスジ彫り道具と比べると、かなり刃先が長いですね。

持ち手部分の断面は4.5mm×2.5mmです。

ちなみに刃幅のラインアップは、ZERO・0.075・0.1・0.125・0.15・0.2・0.25・0.3・0.4・0.5・0.6・0.7・0.8・0.9・1.0・1.2・1.5・1.7・2.0・2.5・3.0・4.0の22種類となっています。
(記事を書いた時点)

これだけ圧倒的な品揃えということは、コアな愛好者も多いんでしょうね。

どれを選べばいいか分からない初心者のために、0.2・0.3・0.5・0.7・1.0とガイドテープが付いた公式サイト限定のBMCタガネお試しセットもあります。

お試しセットだけでも、ほとんどのスジ彫り作業に対応できそうですね。
(あー、これ買えば良かったかなとちょっと後悔・・・)

BMCタガネの特徴と注意点

BMCタガネの特徴

模型パーツと接触する刃先が長方形になっているため、深く掘ってもスジ彫りの断面形状が変化しません。

彫った断面は四角形(凹と表現したほうがいいかも)になり、これはスジ彫りカーバイトやHOLLY、Mr.ラインチゼルなどと同じですね。

またスジ彫りの両端もしっかり角が立ち、綺麗な四角形(凹)となります。

対してケガキ針やPカッターでスジ彫りをすると、V字形の断面になります。

スジ彫りの両端が僅かながら盛り上がり、断面は綺麗なV字型にはなりません。

BMCタガネの注意点

BMCタガネの刃はタングステンという硬い金属が使われています。

硬い代わりに曲げに弱く粘りがないため、ねじったり、弾いたり、横からの力が加わるような使い方をすると折れやすいので注意が必要です。

ちなみにタングステンは

タングステン合金や炭化タングステンは非常に硬度が高いため、高級な切削用工具に用いられる。比重が大きく高い硬度を持つため砲弾、特に対戦車、対艦船用の徹甲弾に用いられるが、この用途では後発の劣化ウランと競合する。

Wikipedia:タングステンより

ということです。

BMCタガネホルダーは必需品かも

実はBMCタガネ0.2mmを初めて見た時の第一印象は小さっ!でした。

しかも細長い。

シャーペンやデザインナイフと並べてみるとこんな感じです。

割り箸と断面を比べてみるの図。

ちょうど割り箸1本の半分ぐらいの断面積ですね。

ファンテック スジ彫りカーバイト0.15mmとの比較で、プラ版にスジ彫りのまね事をしてみるの図。

こういう持ち方だとBMCタガネのほうは、親指・人差し指・中指の3本だけでしっかり把持しないといけません。

対してスジ彫りカーバイト(ホルダー付き)のほうは柄の部分が手にかかり、指は補助的に添えるだけで済みます。

3本の指だけで道具の保持と刃のコントロールを行うのと、柄を支点にして指で刃のコントロールを行う、どっちが作業しやすそうでしょうか?

別売りで「BMCタガネホルダー」が売られている理由が良く理解できました。

BMCタガネ本体だけで綺麗なスジ彫りをサッサッと彫るのをYou Tubeやブログで見かけるのですが、あれは上級者だから可能だと思います。

私のような初心者は、タガネホルダーにセットしておっかなびっくり慎重に作業するのが正解ですね。
(もしくは持ち方を工夫するか)

BMCタガネの使用感は?

以下、初めてBMCタガネをホルダーなしの状態でプラ版にスジ彫りをしてみた時の感想です。

まず感じたのが、持ちにくいということでした。

細くて短いため指3本でタガネの保持と刃のコントロールを行わなければならず、どう手を動かしていいのか一瞬戸惑います。

それでも意を決してガイドテープに沿って動かしてみると、スッと引けました。

保持状態が指3本で不安定なのでBMCタガネ自体がブレてしまいますが、刃先が長いためブレを吸収してガイドテープにしっかり追従してくれます。

10回ぐらい引くとアタリがついてきたのか、ギギギ、ガガガとプラスチックを引っ掻く音と感触が手に伝わってきますが、指3本だけで保持しているので情報量は少な目です。

終わってみると断面はとても綺麗ですが、深さはそんなに彫れませんでした。

保持のストレスや不安感が常につきまといましたが、刃の追従性は抜群に良く一度もガイドテープからズレることはありませんでした。

また、始点・終点ともにばっちり止めることができました。

この時はそもそも25年ぶりの初心者状態である事、彫る作業よりも保持する事に気を取られてしまうなど悪条件が重なり、BMCタガネの実力をちゃんと発揮できていないと思います。(悪いのは私です、はい)

いつかBMCタガネホルダーを装着してリベンジしないといけませんね。

他のスジ彫り道具とは違い太いサイズもあるので、そっちで試すとまた違う使用感かもしれません。

まとめ

初心者が初めて使ってもズレる事もなく(ガイドへの追従性抜群)、始点・終点もはみ出さず、綺麗なスジ彫りが彫れました。

が、ホルダーを使用せず指3本だけで操作したので、使用中常に不安感がつきまといました。

断面は綺麗ですが、力が入れられず彫りが浅くなってしまいました。

ただ、使用条件が悪くても綺麗なスジが彫れるのはBMCタガネが実力ある製品だからではないでしょうか?

私の実力不足と準備不足が原因なので、いつかタガネホルダーを付けて再挑戦したいと思います。

Taro
Taro
BMCタガネは価格が高騰してる場合があります。
購入前にはスジボリ堂公式サイト他の通販サイトも確認ください。

  • この記事を書いた人

Taro

25年ぶりに模型製作を再開した地方済みの出戻りモデラー。今の主食はガンプラですが、ミリタリーやジオラマにも興味津々。

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