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吸引力を徹底調査!【タミヤ ペインティングブースⅡ ツインファン】レビュー

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タミヤのペインティングブースⅡ ツインファン、排気口からはかなりの勢いで空気が排出されていましたが、はたして吸引力はいかほど?

缶スプレーやエアブラシから噴出され拡散した塗装ミストはどれぐらい吸い取れるのか気になりませんか?

実際に塗装する時はフィルターの前にプラモデルのパーツがきて、必然的にフィルターから離れた位置で塗料を吹く訳じゃないですか?

だから、前面パネルから離れた場所の塗装ミストはちゃんと吸引できるのか気になったんです。

ちょっと気になったので実験調査した事を紹介します。

下は1年半使用してフィルター交換をした時の吸引力が分かる動画です。

A4用紙で吸引力調査

まずはこちら。

タミヤ ペインティングブースⅡ上部にある半透明のフードにA4コピー用紙を貼り付けました。

前面パネルからの距離は約20cmあります。

この状態で2基のファンのスイッチを入れてみると・・・

ご覧の通り、吸引力でA4コピー用紙が45°ほど傾きました。

画像だと大した事ないように見えますが、ファンのスイッチをON/OFFするたびに「スッ」とコピー用紙が吸い込まれると「おぉ!吸ってるな~!」と感動します。

なんせ前面パネルからの距離が約20cmあるんですよ!

手を離せばコピー用紙が吸われてパネルに張り付きそうな勢いです。

フードとエプロンの横にも吸引力が働いている

あれこれ試してみようと思い、ティッシュの細切りをタミヤ ペインティングブースⅡのフードとエプロンの数カ所に貼り付けてみました。

すると偶然、1枚のティッシュが意外な動きをしている事を発見。

画像の赤丸のティッシュの細切りなんですが、フード横の外側に貼り付けてあります。

外側に貼り付けてあるティッシュの細切りが、内側に吸い込まれているのです。

この半透明のフードと黒いエプロンの、袖の「く」の字になっている部分では、フード外側にも結構な勢いの吸引力が働いている事が分かりました。

考えてみれば当然なのですが、ペインティングブースⅡの前面パネルからどれくらい離れたところまで塗装ミストを吸引してくれるのか気になり、他の方法でも調査してみることにします。

線香の煙で吸引力調査

どのあたりまで吸引力が働くのか目で見える方法は無いかと思いついたのが、煙を吸わせてみるという方法です。

煙なら目に見えるし、簡単に疑似的な塗装ミスト代わりになるかと思いました。

そこで線香の登場。

半分に切って、5cm間隔で30cmの定規に貼り付けます。

まずはエプロンの中心で、両側の袖の先端にあたる位置で試してみることにします。

実際の塗装作業ではペインティングブースⅡのフィルター直前にプラモデルのパーツがくるので、スプレーやエアブラシはこれぐらいの距離から吹くのではないでしょうか?

この位置で線香の煙をしっかり吸い込めば、塗装ミストも確実に吸引してくれるでしょう。

マスキングテープの交わる位置に線香の先端をもってくると、ご覧の通りぐんぐん煙が吸い込まれます。

下から25cmの高さまではパワフルに煙を吸いますが、30cmの高さは上のフードからはみ出して周囲に拡散してしまいました。
(カタログ上はタミヤ ペインティングブースⅡの高さは30cmとなっていますが、半透明のフードが柔らかく下にたるんでしまうので、実際は28cmぐらいになります)

エプロン両袖の内側で缶スプレーやエアブラシを使えば、ほぼ完全に塗装ミストを排気できそうですね。

ペインティングブースⅡの吸気口からどれくらい離れた位置の空気まで吸ってくれるか気になるので、エプロンを基準に実験してみます。

調査してみた場所は次の6か所です。

  1. エプロン幅ちょうど & エプロン袖先端
  2. エプロン幅ちょうど & エプロン先端
  3. エプロン幅ちょうど & エプロン先端+5cm
  4. エプロン幅+5cm & エプロン袖先端
  5. エプロン幅+5cm & エプロン先端
  6. エプロン幅+5cm & エプロン先端+5cm

それぞれの場所に線香の先端がくるようにして、どんな感じで吸うのか・吸わないのかを実験してみます。

① エプロン幅ちょうど & エプロン袖先端

15cmまでの下の3本の煙は、きれいにスーッと吸われていきます。

流速が早いため煙は拡散せず、直線的に進んでいます。

20・25cmの2本は問題なく吸われますが、一番上の30cmの線香の煙は吸われずにモヤモヤとしています。

上のフードより僅かに高い位置にあるだけですが、吸引力がうまく伝わってないのでしょう。

エプロンの袖のあたりだと、フード上にはみ出さない限り塗装ミストをガンガン吸ってくれそうです。

② エプロン幅ちょうど & エプロン先端

続いて② エプロン幅ちょうど & エプロン先端の位置です。

実際に塗装するときは、このあたりに肘をついてもう少し前方で缶スプレーやエアブラシを使うんじゃないでしょうか?

下3本の煙は、問題なくペインティングブースⅡに吸い込まれて行ってますね。

20・25cmの2本も問題なく煙が吸引されています。

一番上の30cmの煙も、揺らぎながらもペインティングブースⅡに吸い込まれていきます。

画像ではフード上を通過しているように見えますが、意外とほぼ全部の煙が吸引されました。

この位置でも、フード上にはみ出さない限り塗装ミストをしっかり吸ってくれそうです。

多少の吹き返しがあっても、ペインティングブースⅡのファンを2基がけしておけばミストをしっかり捕捉できるんじゃないでしょうか?

③ エプロン幅ちょうど & エプロン+5cm

3回めは線香の先っちょを③ エプロン幅ちょうど & エプロン+5cmに配置します。

少し流速が遅くなり煙のスジが広がっているものの、下の3本はきっちりペインティングブースⅡに吸い込まれています。

20・25cmの高さの2本は、煙の揺らぎがでてきていますが、こちらも全てペインティングブースⅡに吸い込まれています。

一番上の30cmの高さの線香の煙は、揺らいで大きく波打ってしまっています。

半分ぐらいは吸い込まれますが、半分はペインティングブースⅡのフード上を通過してしまいます。

この位置では、低い位置の塗装ミストはしっかり捕捉しそうですが、高い位置の塗装ミストは取りこぼしもありそうです。

④ エプロン幅+5cm & エプロン袖先端

4回目は、エプロン幅から横に5cm離し、かつエプロン先端に揃えた場所に線香の先端を配置してみました。

ペインティングブースⅡの前面パネルとの距離が縮まった事で、下の3本の線香の煙は勢いよく吸引されているのが分かると思います。

上から2本目、25cmの高さの線香の煙は、波打ちながらフードに向かっていき9割ぐらいはペインティングブースⅡに吸い込まれますが、残り1割ぐらいは弾かれてフード上を通過しています。

てっぺんの線香の煙はペインティングブースⅡに向かって流れていくものの、全てフードの上を通過してしまっています。

この位置だと、高い位置の塗装ミストは多少取り逃がすものの、ほとんどの塗装ミストはしっかり吸い取ってくれそうです。

⑤ エプロン幅+5cm & エプロン先端

5回目はエプロン幅+5cm & エプロン先端に線香の先を配置。

下の3本は変わらず全てペインティングブースⅡにスーッと吸い込まれていきますが、揺らぎが大きくなってきています。

上から3本目、20cmの高さの線香の煙は、揺らぎながら斜めに上昇しつつもかろうじて大部分がペインティングブースⅡに吸い込まれます。

上から2本目、25cmの高さの線香の煙は、大きく揺らいで半分ぐらいは吸い込まれ、残り約半分はフード上を通過していきます。

一番上、30cmの高さの線香の煙は、斜め45°上に進み、全てペインティングブースⅡの上を通過していきます。

この位置だと、高い位置の塗装ミストは取りこぼしが増えるものの、フードより低い位置の塗装ミストの大部分は吸い取ってくれそうです。

⑥ エプロン幅+5cm & エプロン+5cm

最後はエプロン幅から横に+5cm、エプロン先端から+5cmの場所に線香の先端を配置します。

一番下、5cmの高さの煙は多少広がりながらもほぼ水平に塗装ブース内に引き込まれていきます。

下から2本目、10cmの高さの線香の煙は、斜め45°で上昇しフードの先端に当たりながらも全て吸引されています。

下から3本目以上は、揺らぎながら斜め45°で上昇し半分程度はペインティングブースⅡ内に吸い込まれ、半分は吸い込まれずに上空を通過していきます。

上の2本、25cmと30cmの高さの線香の煙は、塗装ブースの方向に流れてはいるものの波打ちながらほとんど全てが上空を通過していきます。

この位置だと、塗装ミストの取りこぼしが増え、3割ぐらいしか吸引できそうにありません。

以上のように、フードとエプロンが付いた状態では意外と遠い位置の煙もペインティングブースⅡに吸引されました。

煙なので自然と上昇していくこと、塗装ミストの粒子のほうが重い(たぶん)のでこの通りになるとは言い切れませんが、参考にはなると思います。

フードとエプロンを外した状態で吸引力調査

今度は、タミヤ ペインティングブースⅡ ツインファンのフードとエプロンを取り外した状態で吸引力調査をしてみます。

線香の先端は先程の①と同じく、エプロン幅ちょうど&エプロン袖先端の位置に配置します。

下の3本の線香の煙ですが、ちゃんとペインティングブースⅡの吸気口に吸い込まれています。

ですがフードとエプロンが付いている状態よりも流速が遅く、煙に広がりと揺らぎが発生しています。

意外だったのが一番上、30cmの高さの線香の煙です。

流速が遅く波打って広がっているのですが、ほとんどが前面パネルから吸い込まれていきます。

フードを外し分散して吸引力が弱まっているものの、それなりに吸い込まれてるんでしょうね。

ただし、実際の塗装ミストは勢いがついて拡散していくので、けっこう取りこぼしが多いかもしれません。

まとめ

タミヤ ペインティングブースⅡ ツインファンは、前面パネルから約20cm離れた場所のA4コピー用紙も吸い寄せる強い吸引力があることが分かりました。

また線香を使った調査では、フードやエプロンから外れた位置でも煙を吸い取ってくれました。

実際の缶スプレーやエアブラシを使った場合、フードとエプロンの内側にこもった塗装ミストならほぼ全て除去してくれるんじゃないでしょうか?

ペインティングブースⅡは前面パネル近くに塗装するパーツを置いて、エプロンの先端あたりに肘をついて作業するのにちょうど良いように作られていると思います。

タミヤさんの意図した使い方をすれば、塗装ミストやシンナー臭の問題がだいぶ軽減されそうです。

あなたの模型ライフの役に立てば幸いです。

それではまた。

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  • この記事を書いた人

Taro

25年ぶりに模型製作を再開した地方済みの出戻りモデラー。今の主食はガンプラですが、ミリタリーやジオラマにも興味津々。

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