ネットで情報収集していると最近はガンダムマーカーという便利な物があるらしい。
塗装用だけでなく、スミ入れ用のマーカーも存在するらしい。
昔はスミ入れと言えばタミヤエナメル塗料のフラットブラック一択しか知らなかった私ですが、製作が楽になりそうなので気になりました。
筆や溶剤を使わなくてもペンで簡単に墨入れできるなんて魅力的です!
ラクしたい私は「ベーシックセット」と「流し込みスミ入れペンセット」をエイッ!ヤッ!とポチッたのでした。
今回は「流し込みスミ入れペンセット」のほうのお話です。
CAUTION!素組み専用!!
ラクして墨入れしたいという私の野望は、パッケージを手にした瞬間に崩れ去りました。
そこには<素組み専用>の5文字が・・・。
しかも2カ所。
ハイ、知りませんでした。
私のリサーチ不足です。
今後塗装したガンプラやミリタリーモデルに、簡単に墨入れしたかったんです。
だって筆や塗料を準備して、墨入れした後は有機溶剤で筆を洗ってという一連の作業が、ペンでできるなんてメチャクチャ便利じゃないですか!
しかも色んな下地色に使えそうな色がセットになっている!
エナメルのフラットブラックしか知らなかった私はよく調べもせずに飛びついたのでした・・・。
流し込みスミ入れペンセットは1+5の6本入り
しかしこんな便利そうな道具を簡単にあきらめたくないので、流し込みスミ入れペンセットの事をもっと探ってみる事にします。
「スミ入れでガンプラを簡単リアルに!!」と謳われた流し込みスミ入れペンセット、画像上から
- 消しペン(アルコール系)
- グレー(油性)
- ブラウン(油性)
- ブルー1(油性)
- オレンジ1(油性)
- オリーブ(油性)
の6種類のマーカーがセットになっています。
消しペンのみアルコール系で、他の墨入れ用ガンダムマーカーは油性塗料となっています。
消しペンはガンダムマーカー塗装用や文房具店で売っているマーカーのようなペン先です。
ペン先を対象物に押し付ける事で、中のアルコール系溶剤が染み出てきます。
流し込みスミ入れ用のガンダムマーカーは、細いペン先になっています。
ペン先をスジ彫りなどに押し付けると、とてもサラサラした油性塗料が流れ出てきます。
コピー用紙とプラ板に試し書きしてみました。
非常にサラッとした塗料なので、紙に書くと滲み、裏写りもしてました。
プラ板に書いたほうは滲んだり弾かれたりせず、綺麗な線が書けました。
各マーカーの用途
消しペン
墨入れした塗料がはみ出た場合、消しペンで修正や取り除くことができます。
また塗装用のガンダムマーカーを消したり修正する事もできます。
グレー
白や青いパーツに墨入れする時に使用します。
ブラウン
赤やオレンジのパーツに墨入れする時に使用します。
ブルー1
白や水色のパーツに墨入れする時に使用します。
白色パーツに墨入れする時にグレーやブラックだとくっきりした印象になりますが、もう少し柔らかい表現をしたい時に使うといいでしょう。
オレンジ1
黄色パーツに墨入れする時に使います。
オリーブ
緑や茶色パーツに墨入れする時に使用します。
ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペンセット の使い方
流し込みスミ入れペンセットは、ペン先をスジ彫りにあてがえば流れ出たインクが毛細管現象でスッと広がり墨入れができます。
薄めたエナメル塗料を筆で墨入れするのに比べたら、なんと簡単なことでしょう!
しかも各色そろっているので、多くの下地色に対応できそうです。
塗装面に使えないのがとても残念です。
ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペン の修正・消し方のコツ
墨入れをしてはみ出た場合は、アルコール系の消しペンで消す事ができます。
消す時のコツは
- ティッシュなどで押さえるようにして塗料を除去する
- ペン先は綺麗に
の2点です。
消しペンのアルコールで溶けだした塗料をティッシュで拭くと、塗料が広がってしまいます。
別の色で墨入れしたスジ彫りに入り込んだりすると面倒なので、押さえたりして吸い取ったほうがいいでしょう。
また一度消しペンを使い別の色の墨を修正しようとした時に、前の色の塗料がペン先に残っていると色が混ざってしまうかもしれません。
消しペンの先は適宜ティッシュなどで拭いて綺麗にしておきましょう。
流し込みスミ入れペンで墨入れ実験
試しにプラ板を使って墨入れしてみます。
シンワのケガキ針で5回ほどアタリを付け、HOLLY0.2mmで7~8回スジ彫りしたサンプルを用意しました。
同時に購入した「ガンダムマーカーベーシックセット」に墨入れ用筆ペン(水性)が付属していたので、この機会に比較してみます。
試しに墨入れした結果は画像上から、
- グレー
- ブラウン
- ブルー1
- オレンジ1
- オリーブ
- 墨入れ用グレー(ガンダムマーカーベーシックセットの物、比較用)
となります。
私のスジ彫りが下手なので、あまり綺麗な仕上がりとなりませんでしたが、墨はキッチリ入りました。
(ケガキ針でアタリを付けた時にスジ彫りの両側がケバ立ったのを、さらにHOLLYでスジ彫りしたので余計ケバ立ちが強調されてしまいました。一旦ペーパーがけして整えておくと、綺麗な墨が入ると思います。下地って大事ですね!)
流し込みスミ入れペンのインクがうまく流れないため、何度もペン先をプラ板に押し当てないといけませんでした。
スジ彫りが綺麗にできてないと、墨入れもうまくいかないという悪い例として参考にしてください。
(あとで別のプラ板+HOLLYスジ彫りに試したら、驚くほどスーッとインクが流れ込みましたよ!)
流し込みスミ入れペンを押し付けた跡を消しペンで修正してみます。
右半分を消しペンで掃除してみました。
スジ彫りの中に消しペンのアルコールが流れ込むぐらいペン先をあてましたが、スジ彫りが深いためインクが残っています。
浅いスジ彫りなら墨入れしたインクを除去できるかもしれませんが、スジ彫りが深いと除去できないので色選びは慎重に行ったほうが良さそうです。
流し込みスミ入れペンのはみ出たインクは、乾燥後に消しゴムで擦っても消せるそうです。
私も試してみましたが、消しゴムが悪かったのかプラ板やスジ彫りの中に消しゴムのカスがムチョッとひっついて汚くなったので途中でやめました。
表面が綺麗で硬めの消しゴムとか、メラミンスポンジを使うといいかもしれません。
いつか試してみたいと思います。
コート剤で滲んだりしない?
墨入れをする場合は塗装用のガンダムマーカーで部分塗装をしていたりして、仕上げにトップコートを吹くかもしれません。
手持ちのGSIクレオスの水性トップコートを吹いてみましたが、流し込みスミ入れペンの塗膜は滲んだりする事はありませんでした。
けっこう厚めに吹いたのですが、大丈夫です。
ラッカー系などの塗料を使った場合は違う結果になるかもしれないので、その点は注意してくださいね。
流し込みスミ入れペン 使用上の注意
重ね塗りはしない。
下地の塗料を溶かすので、塗装済みのパーツに重ね塗り(墨入れ)はしないようにしましょう。
これが、流し込みスミ入れペンが<素組み専用>と謳われている理由です。
私はこの点を完全に見落としていました。
メッキを溶かす事がある。
メッキを溶かす事があるので、メッキパーツには使用しないようにしましょう。
コート剤で滲む事がある。
コート剤の種類によっては、流し込みスミ入れペンの塗料が溶けて滲むことがあるようです。
今回は大丈夫でしたが、どのコート剤を使うか慎重に選びましょう。
紫外線で変色する事がある。
車の塗装も紫外線で退色しますね。
窓際などの直射日光があたる場所での保管を避けたり、紫外線カットのトップコートを吹いたりして用心しましょう。
ABS樹脂が割れる事がある。
消しペンも流し込みスミ入れペンも、ABS樹脂に使用すると塗料が浸透して割れる事があるそうです。
巷では最近のABS樹脂は割れる事が少なくなったという声も聞かれますが、できるだけ避けたほうが無難でしょう。
まとめ
ガンダムマーカー 流し込みスミ入れペンセット、素組みでプラモデルを楽しむなら買いだと思います。
ペンのキャップを取ってササッと簡単に墨入れすることができます。
瓶の塗料や筆や有機溶剤を揃える必要がない手軽さは他にありません。
スジ彫りがちゃんと整っていればインクも綺麗に伸びて、消しペンでの修正も簡単です。
水性のトップコートなら、多少厚めに塗っても大丈夫そうです。
消しペンは少し匂いますが、ラッカー系塗料などに比べたら全然我慢できるので、周囲にもやさしいですね。
(女性のマニキュアを落とす除光液のほうが匂いが強いです)
ただし素組み専用なので、塗装してあるパーツに使用できない点は注意が必要です。
お手軽にステップアップを楽しみたいなら、検討してみるのもいいかもしれませんね。