ガンプラのウェザリングで使える材料・道具には大きく分けて汚し塗装に使える塗料やマテリアルと、ダメージ表現に使う道具の2つがあります。
今回は入手しやすく初心者さんでも扱いやすい物から、少し慣れた脱ビギナーさん向けの物をまとめました。
まずは手軽に取り組めるものから始めて、少しずつステップアップしていきましょう!
先にウェザリング前後の手順を確認
ガンプラに汚し塗装する前には、シール貼り・スミ入れ・つや消しトップコートまで済ませておきましょう。
コーティングする事でデカールやスミ入れした塗料を保護したり、表面がザラザラになる事でウェザリングに使う塗料・材料の食いつきが良くなります。
それからウェザリングした後にも塗った塗料やパステルを保護するためのコーティングを忘れずに行いましょう。
ウェザリングに使う塗料・材料
汚し塗装で平面的な汚れや立体的な汚れ、着色に使う塗料や材料を紹介します。
リアルタッチマーカー(初心者向け)
下地を痛めない水性ペンで、太筆・細筆が両端についています。
匂いも無く取り扱いも簡単なので、初めてウェザリングに挑戦する初心者さんにおすすめです。
太筆では広い面積を汚してティッシュや綿棒で拭きとり、全体的な汚れを表現するウォッシング的な効果が得られます。
細かな所・入り組んだところは細筆で描きこんで綿棒で拭きとり、塗装の剥げを表現するチッピング的な表現ができます。
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塗装用ガンダムマーカー(初心者向け)
アルコール系のマーカーで塗膜やメッキを痛める可能性があるため、素組みのガンプラ専用のマーカーです。
直接塗ったり塗料皿に一旦塗料を出して筆塗りしたりと、主に部分塗装に使います。
専用のエアブラシシステムを使えば広い面積の塗装も可能です。
ガンプラのウェザリングでは、グレーやブラックで描きこんで塗装の剥げを表現するチッピングに使ったり、シルバーを塗料皿に出してドライブラシをする事で金属の擦れ表現に使えます。
ガンダムマーカーは無水エタノールなどのアルコールで薄めたり拭き取ったりする事ができます。
乾燥が早く扱いづらい場合や、筆のクリーニングに準備しておくといいでしょう。
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ウェザリングマスター(初心者向け)
化粧品のアイシャドウのように色のついた粉を固めた材料です。
ハケとスポンジが両端についた付属のスティックで塗りつけます。
粉状なのでウェザリング前後のコーティングは必須と考えた方がいいでしょう。
- とりあえず試したいなら「スス」が入ったBセット
- 砂や泥を表現したいならAセット
- バーニアなどの焼けを表現したいならDセット
がおすすめです。
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ウェザリングパステル
色のついた粉末が瓶に入ったもので、3色1セットになっています。
セット1は泥や埃、セット2はススや錆びの表現に使います。
筆でそのまま擦り付けたり、アクリル溶剤で溶いてから塗って使います。
混ぜて色合いを調整する事も可能です。
定着が悪いのでウェザリング前後のコーティングは忘れずに。
エナメル系塗料
下地のラッカー・アクリル塗料の塗膜を侵さないのがエナメル塗料です。
基本塗装が終わってからの部分塗装・上塗りによく使われます。
下地を侵さない特徴を生かしてウェザリングでは様々な使い方ができます。
筆塗りする事でオイル汚れを表現したり、ドライブラシの技法で退色・埃・金属面露出の表現に使ったりします。
ウォッシングにもよく使われ、全体的な汚れや雨垂れ・錆び垂れ・水垢などの表現をします。
メモ
塗料をシャバシャバに薄めて全体に塗る技法がウォッシングですが、汚しが目的なのでウェザリングに分類されます。
似た作業のフィルタリングは色味の調整が目的なので塗装に分類されるそうです。
メモ
ラッカー系塗料・アクリル系塗料の塗膜を溶かさないのがエナメル塗料ですが、プラスチックをもろくしてしまう欠点があります。
大量のエナメル溶剤を塗るとガンプラを傷める可能性があるので、ウォッシングの時にはジッポオイルを溶剤代わりに使うミリタリーモデラーさんもいます。
取り扱いの際には火気厳禁です。
アクリル系塗料
エアブラシで吹いたアクリル塗料に燃料用アルコールを垂らすことで色むらを作る「アルコール落とし」という技法があります。
元々は戦車プラモデルで全体的な埃の表現に使っていたようですが、ガンプラでは凍結の表現に使ったりもします。
使うのはタミヤのアクリル塗料(コレじゃないとダメらしい)と燃料用のアルコールです。
引火しやすいので取り扱いには注意ですね。
ウェザリングカラー
油彩ベースで伸びが良い反面、乾燥に時間がかかります。
スミ入れにも使いますがエナメル溶剤と比較してプラスチックを傷めにくいので、ウォッシングで使うモデラーさんも多数です。
そのまま筆塗りもできますが、溶剤で薄めたり混色して使う事もできます。
全体的な使用感、泥や埃、錆び、水垢などの表現が可能です。
フィルタリングが目的の姉妹品、フィルタリキッドもあります。
クレオスのウェザリングカラーには専用の溶剤を使います。
後述のウェザリングペーストにもこの薄め液を使います。
ウェザリングスティック
ちょうどスティックのりのような硬さと作りの水性マテリアルです。
泥や雪の立体的な汚れが表現できます。
ペン形状なのでガンプラにそのまま塗りつける事もできますし、削って水で溶いて筆塗りする事もできます。
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ウェザリングペースト
ドロッとしたペースト状の素材で、乾燥するとつや消しになります。
ウェザリングペーストどうしやウェザリングカラーを混ぜて色の調整が可能です。
そのまま塗りつけて泥などの立体的な表現もできますし、薄めて塗って埃っぽい表現もできます。
同製品のウェットクリアを混ぜたり上塗りすることで、濡れた質感も表現可能です。
希釈には前述のウェザリングカラー専用薄め液を使います。
ウェザリングライナー
ペンシル型で直接描き込める手軽さが売りな製品です。
描きこみタイプなので、平面的な錆びや泥・雪の表現に使います。
描き込んだ後で綿棒を使いぼかしたり馴染ませたりする事も可能です。
クーピーペンシルのような硬さでカリカリした描き心地らしいですが、クレオス製の水性ホビーカラー薄め液かウェザリングカラー薄め液に先端を漬けて柔らかくして使う方もいらっしゃるようです。
石膏
建築系の材料ですがウェザリングでは降った雪の表現に使えます。
ガンプラやジオラマの上から粉状のまま茶こしで降りかけ、後から余分な石膏をエアブラシやハケで取り除きます。
石膏の定着には水で溶いた木工ボンドを使います。
雪を降り積もらせたい所に水溶きボンドを筆塗りし、乾く前に石膏を降りかけます。
ダメージ表現に使う道具
ウェザリングで傷や破損を表現する時に使う道具の紹介です。
通常の製作で使うデザインナイフやニッパーでもダメージ表現は可能ですが、少し踏み込んだ道具を紹介します。
基本的は先にダメージ表現をしてから、塗料や材料を使って仕上げます。
ピンバイス
手回し式の精密ドリルで、ドリル刃をチャックで咥え回して使います。
ウェザリングでは貫通した弾痕などの表現に使います。
ピンバイスで穴をあけ、デザインナイフやパテなどで穴の周囲を荒らします。
ピンバイスでドリル刃を咥える時には、刃の太さに応じてチャック(刃を受ける金具))を交換しなければいけません。
これが意外と面倒で「○~○mmはコレ、○~○mmはコレ」と4種類のチャックを使い分けなければなりません。(オッサンは覚えきれんのです)
ゴッドハンドのドリルビットは咥える軸径が一律なので、チャックを交換せずに済みます。
切れ味も抜群なので、通常のドリル刃よりこっちを購入した方が作業がはかどります。
ホビーのこ
プラスチックの切断用に設計されたのこぎりです。
エッチングノコに比べると切断面は荒いですが、丈夫なためダメージ表現にはこちらが向いてます。
手持ち系の武器で深く入ったダメージや、バッサリ斬られた表現に使えます。
タミヤ製のカッターのこは、カッターナイフのOLFAが製造元でホビーのこと共通なので、入手もしやすくお勧めです。
ホットナイフ
電気で熱した刃でプラスチックを切断します。
綺麗な切断面は難しいですが、熱したコテ先で溶けたプラスチックがダメージ表現にちょうど良い感じになります。
サーベルや斧、クローでのダメージ表現に適しています。
半田ごてを持っている場合は、コテ先を交換してホットナイフにするアタッチメントが利用可能です。
軸径が何種類かあるので購入時には注意が必要です。
リューター
交換可能な先端ビットを電動モーターで回転させる切削道具です。
パワフルで本格的なコード式もありますが、プラモデルで使うには電池式のコードレスで十分でしょう。
ウェザリングではガンプラの表面にビットを押し当てて削り、弾痕や凹みを表現します。
線香
家庭にある線香も使い方次第ではダメージ表現の道具に使えます。
火のついた線香をガンプラの表面に近づけて凹みを作り、弾痕や衝突痕を表現できます。
使う時は水や灰皿も用意して消火に気をつけましょう。
初心者におすすめの3選はコレ!
初めてガンプラのウェザリング挑戦したい初心者さんやまだ慣れてない人は、マーカー系やパステル系の材料・道具から取り組んでみるといいでしょう。
- リアルタッチマーカー
- ガンダムマーカー
- ウェザリングマスター
がそうですね。
リアルタッチマーカーを使うとウォッシングの効果で全体的な汚れを表現したり、細筆で描き込む事で塗装の剥げや錆びを表現する事ができます。
水性なので取り扱いも簡単です。
ガンダムマーカー(塗装用)は直接塗ってもいいですが、塗料皿に出して筆塗りする方法がおすすめです。
細い面相筆で塗装剥がれを描いたり、広い筆でドライブラシする事で金属の擦れを表現する事ができます。
アルコール系で乾燥が早いので、溶剤代わりの無水アルコールがあると作業しやすいでしょう。
ウェザリングマスターは付属の刷毛やスポンジを使って手軽に汚せるのがいいですね。
塗料では出しにくい埃っぽさが表現できるので、砂や泥・ススのウェザリングに挑戦してみるといいでしょう。
ガンプラを数体汚し塗装して慣れてきたら、ウェザリングスティックやウェザリングパステルを使って立体的な汚れを表現したり、エナメル塗装やウェザリングカラーでの全体的なウォッシングや雨垂れ・錆垂れの表現に挑戦してもいいですね。
一通りウェザリングの経験をしたら、ダメージ表現にもチャレンジして立体感を出し、よりリアルな完成を目指しましょう!
まとめ
初心者・中級者さんが使いやすい・使っている材料や道具を紹介しました。
戦車プラモデルで使われる海外のマテリアルまで入れるともっと沢山ありますが、最初は手軽に入手できる物でウェザリングに挑戦するといいと思います。
好きなガンプラを選んで「パッケージや説明書の雰囲気を出してみよう」とか、「アニメのシーンを再現してみよう」と言う風に製作プランを考えて自分なりに楽しみましょ♪