ガンプラの合わせ目を消す・目立たなくする方法はいくつかあります。
その中でも初心者が取り組みやすいのが流し込み接着剤を使った方法でしょう。
塗装派はもちろん、成型色を活かしたまま合わせ目が消せるので無塗装・部分塗装派にも幅広く採用されています。
今回はそのやり方やコツ、メリット・デメリットについて紹介しますね。
どんな接着剤を使う?
この方法では成分が有機溶剤100%でサラサラした流し込みタイプの接着剤を使います。
普通に接着目的で使う場合は、接着したいパーツどうしの接合部に流し込んで使います。
プラモデルコーナーにはたいがいタミヤセメント流し込みタイプかMr.セメントS流し込みタイプが置かれています。
速乾タイプもあるのですが、プラスチックが十分に溶ける前に乾燥しそうなので、私は合わせ目消しには使っていません。
通常の流し込みタイプは塗ってから乾燥するまで時間に余裕があるので、余裕をもって作業ができます。
普通に接着したい場合や合わせ目消しなど、1本でオールマイティーに済ませたい場合も通常の流し込みタイプのほうがいいと思います。
流し込み接着剤を使った合わせ目消し
それでは実施にガンプラの合わせ目を消してみましょう。
- 接着剤の流し込み
- パーツの貼り合わせ・乾燥
- ヤスリがけ
の3ステップで進めていきますね。
step
1接着剤を流し込む
接着剤を流し込む前の合わせ目は、わずかに隙間を空けておきます。
これは接着剤を流し込むためと、後でパーツを押さえつけて溶けたプラスチックをはみ出させるためです。
コンマ数ミリの隙間がいいそうなので、今回は付箋紙を挟みました。
ブログ記事用という事もあり慎重に作業しましたが、実際には作業しながら隙間を調整しても大丈夫です。
この隙間に接着剤を流し込むというより、隙間を接着剤で満たすような気持ちでたっぷり使ったほうがいいです。
1か所からだけでなく両端と中央など数か所から流し込みます。
隙間を覗くと接着剤が全体に行きわたり、液体が表面張力で垂れずにふんばっているような状態でした。
流し込み終わってから10秒ほど待ち、プラスチックを十分溶解させることがポイントです。
step
2パーツをぴったり合わせる
10秒ほど経過後にパーツどうしを押し付けて密着させると、溶けたプラスチックが合わせ目から”ムニュッ”と出てきます。
通常の貼り合わせタイプの接着剤を使った時と同じです。
手はすぐに離さず、20秒ほど押さえ続けます。
その後3日~1週間は乾燥させましょう。
数時間~一晩でも表面は乾きますが、内部が乾燥してないので後に収縮して”ヒケ”が発生する可能性が高くなります。
私は甘く見てすぐにヤスリがけし、後でサーフェイサーを吹いた時にヒケてた事が何度かありました。
メモ
step
3ヤスリがけ
3日~1週間乾燥させると、表面の溶けたプラスチックがカチカチに固まっています。
デザインナイフを使ったカンナ掛けやサンドペーパーを使い、はみ出しているプラスチックを削ります。
今回は曲面のパーツだったので、背面のスポンジに布ヤスリを貼り付けたゴッドハンドの神ヤスも使ってみました。
何番のヤスリまでかけるかは仕上げ方や個人によってマチマチです。
ミリタリー調でつや消し仕上げがメインの凄腕モデラーさんで、基本は400番までという方もいます。
教科書的には800番までヤスリがけしておけば、簡単フィニッシュ・全塗装どちらも対応できるでしょう。
カーモデルのようにピカピカの光沢仕上げにする場合、1,000~1,500番までペーパーがけする場合もあります。
速乾タイプの流し込み接着剤でも合わせ目は消せる?
上の画像はジム改の脚部で、スネが別パーツとして分割されています。
赤丸は、意図せず流し込み接着剤で溶けたプラスチックがムニュッっと出てきた場所です。
組み立てる時に速乾タイプの接着剤を流し込み、グッと押さえるとプラスチックが出てきてしまいました。
乾燥させてペーパーがけすれば、合わせ目は消せたでしょう。
ま、この時はモールドとして活かしたかったので乾燥して固まった後にケガキ針で彫り直しましたが…。
結論としては速乾・流し込みタイプの接着剤でも合わせ目は消せると思います。
モデラーさんによっては速乾・強力タイプのMr.セメントSPを好んで使ってらっしゃる方も多いですからね。
しかし個人的に気になるのが「表面は早く乾燥するけど内部まですぐ乾くのか?」という点。
タミヤの速乾・流し込みタイプでは、表面はすぐ乾いたけど中は乾燥まで時間がかかりました。
導入する場合は表面や内部が乾燥するまで時間にご注意くださいませ。
流し込み接着剤を使った合わせ目消しのコツ2つ
流し込みタイプの接着剤を使った合わせ目消しでうまくいかない共通の原因は
- 溶け出しが少なくて合わせ目が残る
- 後で収縮してヒケが発生する
の2点でしょう。
そのため以下のポイントに注意して作業するのがいいと思います。
ココがポイント
- プラスチックをよく溶かす(接着剤をたっぷり塗る)
- 乾燥期間を十分にとる(3日~1週間)
流し込み接着剤を使った方法のメリット・デメリット
私なりに考えた、流し込み接着剤を使ってガンプラの合わせ目を消す方法のメリット・デメリットをあげておきます。
メリット
- 成型色を活かせる
- 接着剤の塗布が簡単
- 乾燥後も削りやすい
- 接着部分が衝撃に強い
溶剤系の接着剤を使ったやり方に共通なのですが、合わせ目はほぼ元の色のままです。
800番までペーパーがけしてつや消しトップコートするだけで、ほとんど分からなくなります。
合わせ目に接着剤を塗る作業は、ドロッとした貼り合わせタイプの接着剤を使う方法よりも簡単です。
貼り合わせタイプを使った場合は隅々まで慎重にたっぷり塗らないといけませんが、流し込みタイプは毛細管現象で自然と接着剤が行き渡るので楽チンです♪
一度溶けたプラスチックどうしが混じり合って接合されるので、合わせ目(=接合部)も元のプラスチックに近い性能になるのでしょう。(多少は変化すると思いますが…)
そのため乾燥後の硬さがほぼ元のプラスチックと同じで、ヤスリがけがしやすいのも良い点です。
パーツどうしも合わせ目で一体化するので、変形や衝撃に強く割れにくいです。
瞬間接着剤の場合は衝撃に弱いそうです。
デメリット
- 乾燥に時間がかかる
- 完全に消す事はできない
乾燥に時間がかかるのが、多くのモデラーさんが気にする点じゃないでしょうか?
時間の無い場合は瞬間接着剤や速乾性のパテを使うといいかもしれません。
接着剤を使った方法は「合わせ目をほとんど目立たなくする」事はできますが「完全に消す」事はできません。
プラスチックに含まれている顔料?染料?が有機溶剤の影響で揮発?変質?するので、合わせ目周辺が多少白っぽくなります。
プロモデラーさんでも完璧に消す事は不可能と言っているので、これは仕方ないですね。
どうしてもこだわりたい場合はランナーパテを使用するといいでしょう。
ランナーパテの作り方
- 合わせ目を消したいパーツと同色のランナーを細かく刻む
- 有機溶剤(接着剤)の中に一晩ほど浸ける
こうするとパーツと同色のドロッとしたペーストになるそうです。
色付きの接着剤みたいな物ですね。
手間はかかりますが、究極の成形色仕上げを目指すならやる価値はあるかもしれません。
まとめ
接着剤を使ったガンプラの合わせ目消しで最近の主流と言えるのが、流し込みタイプを使った方法です。
乾燥に時間はかかりますがその後のヤスリがけも比較的容易にできます。
初心者が合わせ目消しをする場合に、身に着けておきたいテクニックですね。
おすすめ関連記事