Twitterで上手なモデラーさんがガンプラを改造・ディティールアップする過程を拝見してて気になっていた丸モールド、どうやってるのかずっと気になってました。
(凄腕すぎて直接聞く勇気はまだない…)
ある時ふと思いついたので試しに自作してみました。
結果としては、精度さえちゃんと出しきれたら自由に量産できるのでアリじゃないかと思います。
作業動画
◎丸モールド自作
プラ板を使って丸モールドを作ってみますね。
ガンプラのキットの厚みが1mmぐらいと言われてるので、0.5mmのプラ板を2枚重ねた物を用意しました。
白とグレーのプラ板を貼り合わせて、掘った深さが分かりやすいようにしたつもりです。
シンワのケガキ針を使って点を打ち、穴の中心を決めます。
ゴッドハンドのスピンモールドを使って、3.0mmの穴を掘ります。
ちょうど0.5mmの深さにしました。
スピンモールドで掘ると穴の底が平らになり、かつセンターにガイドピンが付いているので穴の中心が残って次のドリル作業で役立ちます。
穴の中心を揃えてゴッドハンドのドリルビットでプラ棒を差し込む穴をあけていきます。
目標は2.0mmですが一気に開けると中心がズレたり形が崩れたりするので、0.5mmぐらいから徐々に穴を広げていきました。
数種類の径の穴を開ける場合でも、ドリルビットは軸径が均一なので作業中にピンバイスのチャックを交換せずに済み楽チンです♪
目標の2.0mmまで穴径を拡大しましたが、タミヤのプラ棒がきつくて入りません。
なのでサンドペーパーで少し削ってわずかにプラ棒を細くしました。
2.0mmの穴で入らないからって2.1mmのドリルで穴を拡大しちゃうと、けっこうスカスカになってしまいます。
なので荒いサンドペーパーで少し削ったほうが、適度なきつさではまってくれます。
余分なプラ棒をニッパーでカットします。
プラ棒が型崩れするのを見込んで、削り代を2~3mm残しました。
削り代が残っている事で、プラ棒が穴の中心に来てない時の調整もできます。
速乾タイプの流し込み接着剤を表裏から塗ります。
この時プラ棒が穴の中心に来るようにピンセットで傾きを調整しました。
プラ棒が垂直に差し込まれている事より、穴の中心に来ているように見せる事のほうが大切です。
接着剤を流し終わったらプラ棒が動かなくなるまで十分に乾燥させます。
未乾燥のうちにプラ棒を触るとグラついて歪んでしまいます。
接着剤を十分に乾燥させたら、ハイパーカットソー等でプラ棒の残りを切ります。
ニッパーでギリギリに切ろうとするとプラ棒がえぐれたりする可能性があります。
また新品のデザインナイフでも、刃の力でプラ棒が根元からポキッと折れてしまう事もあります。
(私は1mmプラ棒を折ってしまいました…)
プラ棒の残りを慎重に切り取ったら、ヤスリがけをして平らにします。
画像では最近お気に入りのぐるぐるbarを使用しています。
手に持って作業してもいいですし、画像のように置いてパーツを動かして作業する事もできます。
最終的に800番のサンドペーパーまでかけました。
表面を整えた後にウェザリングカラーのマルチブラックでスミ入れしました。
アップなので穴とプラ棒の中心が少しズレているのが丸わかりですね(^^;)
まあでも言わなきゃ本人しか分からないと思うので、私としてはアリかなと思います。
サイズ違いサンプル
せっかくなんでサイズ違いの丸モールドも自作してみました。
穴とプラ棒の直径は1mmぐらい違ったほうがバランスが良いように感じます。
穴とプラ棒の直径の差が小さいと、工作精度の高さが必要かと。
画像右のように、穴とプラ棒の直径差を大きくとってみるのも面白いですね。
まとめ
凄腕モデラーさんの製作過程を拝見して、試しに丸モールドを自作してみました。
穴を掘って社外パーツを埋める方法ならもっと早くて手軽なうえ高精度ですが、自作の場合は低コストで大量生産が可能です。
後で調べて知ったのですが、プラ棒の代わりに火で炙って伸ばしたランナーを使うともっと色々な寸法が作れそうです。
伸ばしランナーの技法は昔からあるリベットの再現方法みたいですね。
他にも色々な工作方法があると思いますので、ご自分のシチュエーションに合わせてプラモデル作りを楽しんでください。