最近のガンプラは目立たないように設計されてますが、製造上どうしても合わせ目が気になる位置にきてしまう事もあります。
やれば確実に完成度が上がる合わせ目消しの、基本的な考え方と方法をまとめてみました。
合わせ目消しの考え方
考え方と言うと大げさですが、先に私が知っている合わせ目消しの共通した考え方についてまとめておきます。(初心者なのに生意気なヤツだ)
ガンプラの合わせ目を消す方法はいくつかありますが、個人的にはどのやり方にも共通する手順があると思います。
- 合わせ目(境目)を覆う
- 盛り上がった部分を削る
の2段階です。
step
1合わせ目(境目)を覆う
まず最初に合わせ目周辺をわずかに盛り上がるように覆い、隠れるようにします。
やり方によって溶かしたプラスチック(スチロール樹脂)で覆ったり、何かを塗ったり充填したりして合わせ目を覆います。
step
2盛り上がった部分を削る
次に盛り上がった部分をヤスリがけします。
このように合わせ目を一旦何かで覆い隠し、少し盛り上がった部分を削って表面を整える事で、見えなくしたり目立たなくする訳です。
かな~り雑な説明で絵も下手ですが、合わせ目消しの大雑把な考え方としては間違ってないと思います。
ガンプラ 合わせ目消しの方法
多くのモデラーさんによく採用されている方法を紹介しますね。
溶剤系の接着剤を使った合わせ目消しの方法
この方法では接着剤の主成分である有機溶剤でプラスチックを溶かし、パーツを合わせる時に溶けたプラスチックをはみ出させて、ヤスリがけして仕上げます。
溶けたプラスチックがはみ出る様子から、「ムニュ付け」なんて呼ばれてたりしますね。
乾燥に時間はかかりますが成型色のまま仕上げる事も可能で、切削もやりやすいので、ガンプラ初心者が初めて取り組むのに向いていると思います。
ドロッとした貼り合わせタイプ、サラサラした流し込みタイプ、両方の接着剤で行えます。
ただし合わせ目の隙間が大きかったり周辺の段差が大きい場合、この方法は向きません。
溶剤系の接着剤を使った方法
瞬間接着剤を使った合わせ目消しの方法
乾燥時間を短縮して手早く合わせ目消しを行いたい場合は、瞬間接着剤を使った方法もあります。
低粘度タイプを隙間に流し込んだり、中・高粘度タイプを合わせ目の上に塗って覆ったり、条件や好みによって皆さん使い分けているようです。
ある程度は盛り上げて塗る事ができるので、多少合わせ目の隙間が開いてたり段差があってもも大丈夫でしょう。
ほとんどの瞬間接着剤は固まるとプラスチックよりも硬くなるので、ヤスリがけしにくい場所では苦戦します。
時短と削りやすさを両立させるなら、タミヤの削りやすい瞬間接着剤イージーサンディングでチャレンジしてもいいかもしれませんね。(私はまだ使った事ないです)
パテを使った合わせ目消しの方法
どんな状況にも対応できるのがパテを使った方法の強みでしょう。
小さな隙間や段差なら溶きパテ、~2mmぐらいまでならラッカーパテや光硬化パテ。
改造などで合わせ目の隙間や段差が大きい場合は、エポキシパテやポリエステルパテの出番といったところでしょうか?
ガンプラ初心者さんは高等テクニックのように感じるかもしれませんが、やってみると意外と簡単な作業です。
硬化後はプラスチックと同じぐらいの硬さor逆に柔らかくなるので、瞬間接着剤を使った方法よりは削りやすいです。
後々ガンプラの改造とかヘビーな工作にも挑戦したい場合、合わせ目消しでパテの扱いを練習しておくのもいいかもしれませんね。
手始めに取り組むなら、ラッカーパテを使ってみるのがいいと思います。
メモ
他にもヒートペンを使った合わせ目消しの方法もあるようです。
熱でパーツどうしを溶接し、凹みを伸ばしランナーで埋めた後にヤスリがけして仕上げるそうです。
特殊な道具が必要だし作業も難しそうなので、実際にやっている人はほとんどいないと思いますが…。
ガンプラの合わせ目消し 失敗時のリカバリー方法
ガンプラの合わせ目を消す時に起こりがちな失敗時のリカバリー方法です。
前もって対処法を知っておけば、いざと言う時に慌てずに済みますね。
合わせ目が残ってしまった
瞬間接着剤やパテを使った方法で合わせ目が残ってしまった場合は、もう一度塗ったり盛ったりすれば大丈夫でしょう。
ガンプラを成型色で仕上げたい場合で、溶剤系の接着剤を使って合わせ目消しをしている時は、溶かしランナーをパテのように使う方法もあります。
溶かしランナーを使う方法
- パーツと同色のランナーを刻み溶剤系の接着剤と一緒に小瓶に入れ、一晩かけて溶かす。
- 溶けたランナーを対象部分に塗って十分乾燥させる。
- ヤスリがけして表面を整える。
スジ彫りが浅くなってしまった
ヤスリがけに集中すると削りすぎてしまい、合わせ目周辺のスジ彫りが浅くなったり消えてしまう事があります。
そんな時はスジ彫りを彫り直すしかありません。
合わせ目を横断する彫り直しの場合は道具の刃先が引っ掛かる事が多いので、ガイドテープを使ったりエッチングノコでアタリをつける事も忘れずに。
前もって予想できる場合は、先にスジ彫りを深く彫り込んでから合わせ目消しをしたほうがいいかもしれませんね。
BMCタガネのレビュー
「消す」ではなく「隠す・目立たなくする」方法もある
ガンプラの合わせ目は必ず消すと決められている訳ではありません。
隠して目立たなくしたり、モールドとして溶け込ませてもいいんです。
貼って隠す
ヤスリがけが難しく合わせ目を消しにくい場所は、プラ板を貼って隠してもいいと思います。
単にプラ板を貼るだけだと違和感があるので、スジ彫りやプラ棒などでディティールを加えた物を使用するといいでしょう。
成型色仕上げをしたい場合は、ランナータグを使う手もあります。
ランナータグって何?
段落ちモールドにする
合わせ目の片側が”L字”になっているのが段落ちモールドです。
実際に貼り合わせると太めのスジ彫りに見えます。
後で接着して組み立てたい場合などによく採用されます。
自作ツールやBMCダンモなどの専用工具を使って、合わせ目を段落ちモールドにするのもいいでしょう。
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まとめ
合わせ目を消すと言っても
- 溶剤系の接着剤を使う
- 瞬間接着剤を使う
- パテを使う
という方法がありました。
また
- 貼って隠す
- 段落ちモールドにする
事で目立たなくする方法もあります。
ご自分が持っている道具や状況に応じて、それぞれのやり方を使い分けてみてくださいね。
あなたの模型ライフに役立てば幸いです。
それではまた。