接着剤不要で簡単に組み立てることができ、元々色分けされているので素組み・パチ組みするだけでも満足できるのが最近のガンプラです。
しかしプラモデルを手に取るようなアナタなら、もっとかっこよくしたいと思うでしょう。
「手間のかかる塗装や難しいディテールアップ・改造は無理っ!」という初心者さんでも、「簡単フィニッシュ」という仕上げ方をすれば格段に完成度が高まります。
今回は一般的な簡単フィニッシュに加えて少しだけ差をつける方法も紹介します。
実際に1/144HGグレードのRX-78-2ガンダムを作りながら解説していきますね。
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簡単フィニッシュとは?
簡単フィニッシュとは、素組み・パチ組みしたガンプラにスミ入れをしてからコーティングをして仕上げる方法です。
単に組み立てるよりオモチャ感が消え、リアルでかっこいいガンプラになります。
短時間で気軽にできるので、初心者さんにおすすめの製作法です。
簡単フィニッシュの手順
簡単フィニッシュは次の3ステップで進めます。
step
1組み立て
ランナーからパーツを切り離してガンプラを組み立てていきます。
この時ゲート処理も一緒にやるとより完成度が高まります。
後から分解する可能性がある場合は、ダボ・ダボ穴の処理もやっておきます。
step
2スミ入れ
モールドや凹みに塗料やマーカーで影をつける事で、ガンプラに立体感が出ます。
スミ入れと前後して部分的な塗装をするとさらに完成度の高いガンプラに仕上がります。
step
3コーティング
コート剤を使ってガンプラ全体のツヤを整えます。
パーツのゲート跡や合わせ目も目立たなくなる効果があるので、一気にオモチャっぽさが消えます。
艶が消えたら困るシールやクリアパーツなどは、コーティング後に貼ったり組んだりします。
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組み立て
ここからは実際の作業、まずはガンプラを素組み・パチ組みしていきます。
組み立てる前にはキットの中身を確認したり一通り説明書を読んでおきましょう。
組み立てる時に必要な道具は、最低限ニッパーがあれば大丈夫です。
ランナーからパーツを切り離す時は、ニッパーを使ってゲートを二度切りします。
二度切りする事でゲート跡(バリ)が残りにくくなり、仕上がりに差が出ます。
切り離したパーツは説明書に従って組み立てていきます。
左右で違う部品を使ったり、選択して組み立てたり、2個作ったりと様々な流れがあるので、慣れないうちは特に慎重に進めましょう。
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《+α》ゲート処理とダボ・ダボ穴処理
切り離したパーツをそのまま組み立てても問題ありませんが、余裕があるならひと手間加えてさらに上の仕上がりを目指しましょう。
どんなに高級なニッパーを使っても、ゲートを切断した場所にはゲート跡(バリ)が残ります。
完全に消す事はできませんが、ゲート跡を処理をした後でコーティングするとほとんど目立たなくなります。
組み立てた後に分解する可能性があるなら、ダボ・ダボ穴の処理をしておいたほうがいいです。
ガンプラはスナップフィットで接着剤を使わず組み立てられるのがいい所ですが、分解する時は逆にこれがやっかいです。
一度パーツどうしを嵌め合わせてしまうとなかなか外れません。
無理に力を入れると最悪パーツが変形・破損します。
私はガンプラを組む時はほとんどいつもダボ・ダボ穴を処理して簡単に分解できるようにしています。
一つ注意が必要なのが、嵌め合わせが弱まるのでパーツによってはポロポロ外れやすくなる点です。
パーツが外れやすくなった場合は、私の場合スミ入れ後の組み立てで接着剤でくっつけてます。
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素組み完了!
パーツを切り出して組み立てていくとSTEP1 組み立ての完了です。
最近のガンプラはパーツごとに色分けされていてプロポーションも良いので、組むだけでもかなりカッコイイですね。
今回の1/144HGグレード RXR-78-2ガンダムの場合、後でやるつや消しコーティング剤がかかっても問題ないので、この段階で目の部分はシールを貼りました。
キラキラの光沢シールなどの場合は、つや消しコーティングが終わってから最後に貼ったほうがいいですね。
武器類を全て持たせると重厚感があります。
本当に初めてガンプラを作る人やお子さんなら、これで終了としても十分楽しめると思います。
2体目・3体目のガンプラ作りで少し慣れてきたら、次のスミ入れに挑戦してみましょう。
スミ入れ
ガンプラのモールドや凹みに影をつける作業がスミ入れです。
初めてスミ入れする人は扱いやすいペンタイプを使った方がいいでしょう。
流し込みタイプのスミ入れペンは、一度塗料を流し込んだ後に専用の消しペンなどで拭き取ります。
書き込みタイプのスミ入れペンの場合は、油性マジックのように直接書き込みます。
1種類だけでなく、複数色や違うタイプのスミ入れペンを揃えておくと表現の幅が広がります。
今回私は練習も兼ねてタミヤのスミ入れ塗料を使いました。
エナメル系の塗料で、一度塗料を流し込んだ後にエナメル溶剤で拭き取って仕上げます。
準備したのは
- スミ入れ塗料3色
- 綿棒大・小
- エナメル溶剤
です。
パーツごとに塗料の色を変える事で、ガンプラの立体感や雰囲気が変化します。
また普通の綿棒では拭き取りにくい場所は子供用の小さな綿棒を使います。
足裏で練習してみますね。
スミ入れ塗料を流し込んで、乾燥後に溶剤を染み込ませた綿棒で拭き取ると凹みに塗料が残ります。
初めてスミ入れにチャレンジする場合や色に迷った場合、目立たない足裏やランナータグで練習するのがおすすめです。
少し慣れたら実際にパーツにスミ入れしていきましょう。
ガンプラを組み立てたままの状態でもいいですが、胴・腕・脚などある程度分解したほうが作業しやすいです。
スミ入れ塗料の拭き取りに使う綿棒は大小使い分けたほうが綺麗に仕上がります。
作業していると先が型崩れしてくるので、最低でも4~5本は必要です。
また通常の綿棒と違い、子供用の小さい綿棒は比較的型崩れしません。
ガンプラにスミ入れするとパーツの合わせ目に塗料が流れ込んでしまう事があります。
組み立てたままの状態だと拭き取りにくいので、パーツを分解して拭き取ります。
この時ダボ・ダボ穴処理をしてないとバラすのにとても苦労します。
私はほとんどのダボ・ダボ穴を処理しているので、分解は楽チンでした。
メモ
素組み・パチ組み派の中には、パーツを切り出した時点で先にスミ入れをしてから組み立てる人もいるようです。
はみ出した時のリカバリーはやりやすそうなので、気になる方は試してみるといいかもしれません。
全パーツのスミ入れ・拭き取り作業が終わりました。
- 白いパーツ⇒グレー
- 赤・青のパーツ⇒ブラック
- 黄色のパーツ⇒ブラウン
でスミ入れしました。
ここまで来たらSTEP3 コーティングに進んでもいいですし、余裕があるなら部分塗装をすればより完成度を高める事ができます。
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《+α》部分塗装
色分けされているガンプラでも少し物足りなく思う事があります。
そういう場合は部分塗装をするという選択肢もあります。
HGガンダムのヘソの部分の”Vマーク”はシールで再現する仕様ですが個人的にはイマイチです。
そこで黄色を筆塗りしました。
バックパックのバーニアもグレーの成型色です。
こちらはシルバーをエアブラシで塗装しました。
今回私はつや消しコーティングをした後でやり直しましたが、できればコーティングの前にやっておくといいでしょう(^^;)
塗料を使うのは難しそう…と言う場合は、塗装用のガンダムマーカーで部分塗装することもできます。
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スミ入れ完了!
左が素組み、右がスミ入れ後の比較です。
STEP2のスミ入れをするとガンプラに立体感が出ますね!
頬のダクトなんかは全然違います。
グレーのパーツもブラックでスミ入れすることで立体感が出ます。
武器やシールドの裏にも立体感が出て、精密さが増した気になります。
コーティング
最後の仕上げ、コーティングです。
コート剤は缶スプレーと瓶入り塗料の2種類に大きく分けられます。
また艶の具合でも光沢・半光沢・つや消しに分別されます。
手早く簡単にコーティングをしたいなら断然缶スプレーです。
缶スプレーのコート剤には水性と溶剤系(ラッカー系)の2種類があります。
初心者さんには臭いが少ない水性タイプのコート剤がおすすめです。
ただし水性タイプは塗膜が弱く剥がれやすいので、スプレー塗装の経験がある方は溶剤系のコート剤をおすすめします。
エアブラシを持っているなら瓶入り塗料でもいいでしょう。
準備・片付けに時間がかかりますが、混ぜたり薄め具合を調整する事で自分の好みの質感に仕上げる事ができます。
今回は練習も兼ねてMr.カラーのスーパークリアー つや消しをエアブラシで吹いてみます。
コーティング作業をしやすくするために、前もってガンプラを分解します。
あまり細かく分割せず、部位ごとぐらいの大きさで大丈夫です。
関節部分に塗料がかかるときつくなって動きが渋くなるので、できればマスキングしておきます。
ちなみに頭部は、余ったポリキャップを竹ひごに瞬間接着剤でくっつけた”自作スペシャルツール”にマウントしました(#^^#)
GSIクレオスのネコの手持ち手棒や文房具の目玉クリップ・竹ひごなどを使って手で持てるようにします。
クリップ部分で挟んで固定するだけでなく、両面テープを利用したりポリキャップに差し込んだり色々と工夫します。
関節部分は2段階でコーティングします。
曲げた状態・伸ばした状態と2度に分ける事で、吹き残しを防ぎます。
コート剤を吹き終わったら塗装ベースなどで乾燥させます。
60分ぐらい置けばだいたい大丈夫ですが、できれば一晩寝かせてしっかり乾燥・塗膜を硬化させたいところです。
そうそう、湿度の高い日にコーティング作業をやると塗装面の白化トラブルの可能性が非常に高くなります。
そのためつや消しトップコートをする場合は晴れて乾燥した日に行いましょう。
私はこちらのSDCSザクで見事に白化させてしまいました(T_T)
コート剤が十分乾燥したら組み立てです。
塗料の厚みで嵌め合わせがきつい場合は、やすりでちょこっと削るなどして慎重に組み立てましょう。
光沢系のシールなどをまだ貼ってない場合も忘れずに貼りましょう。
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簡単フィニッシュ+α完成
組み立てたら簡単フィニッシュの完成です!
画像左がコーティング前、つや消しコーティング後の比較です。
全体的なテカリが抑えられ、オモチャ感が無くなってませんか?
後ろ姿の比較。
武器類も艶が消えてより本物っぽく仕上がってます。
部分塗装したバーニアのシルバーはキラキラしすぎかな?
メタリックグレイとかが良かったかもしれません。
まとめ
簡単フィニッシュは
手順
- 組み立て
- スミ入れ
- コーティング
の3ステップで慣れたら1日で完成できます。
初心者さんや時間の限られた週末モデラーさんにおすすめの製作法です。
+αでゲート処理やダボ・ダボ穴処理、部分塗装を行えばライバルに差をつけられます。
関連
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